HTML5テクニカルノート Starling JSをAway Foundationが引継ぐ
2014年2月5日付でStarlingの公式ブログに「Starling JS flocking to the Away Foundation」という記事が投稿されました。昨年5月に記事「A Bird For The Modern Web」とMAX2013でStarling JS開発がアナウンスされてから、これまで情報が伝えられなかった事情を語っています。ブログ記事にもとづいてご紹介しましょう。 01 試練の中のプロトタイプMAX2013から帰って意欲に燃える開発チームを、試練が待ち受けていました。わずか数日後に、ライブラリのメインスポンサーが資金を提供することなく、プロジェクトを去ってしまったのです。 それでも、チームは諦めずに、きわめて短期間にプロトタイプをつくりあげました。そして、2013年の夏にはベータ版が用意できたのです。これで、スポンサーを納得させられるかに思われました。 02 危機に瀕したベータ版ところが、スポンサーから受ける資金では足りなくなり、開発を担当するWernerに時間の半分しか支払えなくなりました。これは進行が滞ることを意味します。加えて、多くの技術的な問題(TypeScriptの変化の早さやブラウザの互換性など)も生じ、ベータの終わりが見えなくなりました。 12月にはプロジェクトを一旦止めて、継続するための現実的な途を探りました。いくつかの選択肢を考えたものの、どれも現実的には見えません。Starling JSは頓挫するかに思われました。費やした時間すべては無駄になってしまいます。 そんなとき、友人のRobert BatemanがAway Foundationから訪れ、Starling JSも支援しようと申し出たのです。 03 開けてきた将来Away3Dを支えるチームは最近、3Dフレームワークの高品質なTypeScript版を発表しました。けれど、3Dだけでは足りず、すべてを解決したいと考えていました。そこには、2Dライブラリも含まれます。他方、Starling JSのチームでは、開発したコードを引継いで完成してくれる相手が必要でした。 つまり、最高の組合せなのです。さらに、Away3Dチームは、WebGL(TypeScript向けのStage3Dに相当)をカプセル化した特別な低レベルのライブラリをつくりあげていました。すでにあるStarling JSのコードベースに組込むのも容易でしょう。 結論として、Away FoundationはこれからのStarling JSの開発を引継ぐことになりました。もうすでに、Starling JSのコードベースに取組み、Away3Dの新しいライブラリに組込んでいます。プロジェクトは、リリースに向けて進行を急いでいる最中です。詳しい中身は、Robert Batemanの最新のblog記事で説明されています。 04 これからのStarling今回のコラボレーションはとても幸運でした。Away3D Foundationが引継いだことにより、技術と経験の豊かなチームがStarling JSが世に出ることを請合ってくれます。また、Starlingの方は、ActionScript版に集中して、その開発にすべての時間を傾けます。 作成者: 野中文雄 Copyright © 2001-2014 Fumio Nonaka. All rights reserved. |
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