Macromedia Flash非公式テクニカルノート コードヒントの活用
Platform: All Flash MXでは、「アクション」パネルの「エキスパートモード」でスクリプトを記述する際に、「コードヒント」が表示されるようになりました。スクリプトを入力しているときに、その記述で使用可能なメソッドやプロパティのリストがポップアップメニューで表示されます。そのリストから使用するメソッドやプロパティを選択すれば、スクリプトが速くしかも正確に記述できます。 1. コードヒントの表示 Mouse.
_root.gotoAndPlay(1)というステートメントを記述したい場合には、ドット('.')に続けてgをタイプすると、ポップアップメニューのgで始まる最初のメソッドがハイライトされます。さらに、goまで入力すれば、'gotoAndPlay'が選択されるので、そのまま[Enter]または[return]キーを押せば、_root.gotoAndPlay(までが入力されます。
けれども、たとえばメインのタイムラインにmyMovieClipというインスタンス名のMovieClipを配置して、_root.myMovieClip.とドット('.')をタイプしても、コードヒントは表示されません。それは、myMovieClipがユーザーのつけたインスタンス名で、Flashにはそれがインスタンス名なのか変数名なのか、あるいはインスタンス名だとしてもMovieClipなのかButtonなのかが識別できないからです。 インスタンス名をmyMovieClip_mcとして、_root.myMovieClip_mc.とドット('.')までタイプすると、MovieClipのメソッド一覧のリストがポップアップメニューとして表示されるようになります。最後につけた"_mc"という記号が、この識別子はMovieClipインスタンスの名前であることをFlashに伝えるからです。
最後につけた記号のことを、「接尾辞」と呼びます。接尾辞を"_btn"にすると、ポップアップメニューにはButtonオブジェクトのメソッドとプロパティの一覧が表示されます。接尾辞をつけると、コードヒントが表示されるというメリットに加えて、その名前が何につけたものかがわかりやすくなるという福次効果があります。 接尾辞を活用して、タイプミスを防ぎ、しかも見やすいスクリプトを心掛けましょう。使用できる接尾辞の一覧は、最後にまとめて掲げておきます。 2 thisに対してコードヒントを表示する このような場合には、コメントを使って'this'が参照するオブジェクトを宣言するという手法が使えます。 コメントとは、行頭に'//'(コメント区切り記号)をつけた記述のことです。ActionScriptは、コメント行はスクリプトとして無視します。ですから、エラーを発生することもありません。文字どおりコメントやメモを記述する場合のほか、ステートメントを一時的に無効にしたい場合にも活用できます。 コメント行はスクリプトとしては本来意味のない記述です。けれども、つぎのようなスタイルのコメント行を記述すると、以降のステートメントではその識別子(変数名やインスタンス名)は指定したオブジェクトを参照するものとして扱われます。 // オブジェクト名 識別子; たとえば、以下のコメント行を記述すると、this.とドット('.')を入力したときに、MovieClipのメソッドおよびプロパティの一覧がポップアップメニューで表示されます。コメント行の最後に';'(セミコロン)が必要なことにご注意ください。 // MovieClip this;
どのようなオブジェクトにこの宣言ができるかは、以下の表「参照するクラスおよび使用できる接尾辞の一覧」のとおりです。接尾辞やコメント行を使った参照オブジェクトの宣言については、Flash 8オンラインヘルプ[ActionScript 2.0の学習] > [ActionScript 2.0の記述と編集] > [[アクション]パネルとスクリプトウィンドウでのコーディングについて] > [Flashのコードヒントについて]以降に説明があります[*1]。 参照するクラスおよび使用できる接尾辞の一覧
3 ActionScript 2.0の型指定によってコードヒントを表示する とくにFlash MX 2004以降では、コンポーネントに対する接尾辞がなくなりました。したがって、コンポーネントインスタンスにコードヒントを表示するためには、ActionScript 2.0の型指定を行う必要があります。 なお、Flash MX 2004から実装されているコンポーネントアーキテクチャバージョン2のコンポーネントクラスは、パッケージに収められています。したがって、完全なクラスパスで型指定するか、予めコンポーネントのクラスをimport宣言しておきます。
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