ActionScript 3.0による三次元表現ガイドブック
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価格: 3,129円(税込) blogでの書評 New! |
【はじめにお読みください − Read Me!】 スクリプトの学び方は、人により異なるでしょう。そして、その学び方によって、書籍に求める内容も変わってくるはずです。執筆する側からいえば、どのような読者を対象として解説するかということにつながります。本書は、つぎのようにターゲティングしています。
本編は、試しやすく初心者にもできるだけ理解できるように、クラスを用いずフレームアクションで説明しています。また数学編は、3次元空間を扱うときに知っておくとよい高校レベルの数学について解説しました。さらに、サンプル編として、本編でつくったおもなサンプルスクリプトを、クラス定義に書替えています。数学編とサンプル編は、知識と興味に応じてお読みください。 また、本文を補うためのコラムや、以下のような囲み記事を加えました。
さらに、AYAさんによるキュートなイラストが、小難しく映りがちな解説を要所要所でユーモラスにまとめてくれました。 3次元空間を扱おうとすると、初めは馴染みのない用語や考え方に戸惑うかもしれません。けれど、基本が理解できれば、自分でスクリプトを組立てることは決して難しくはありません。3次元空間のスクリプティングについての基礎固めとして本書をご利用ください。 |
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Chapter01 ウォーミングアップ − 座標と三角関数と、時々、ベクトル >> PDFプレビュー(全18ページ)[*] [*] 2色刷りのDTPデータから出力したPDFファイルのため、赤系特色で印刷されるべきカラーがシアンとして表示されます。 |
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Flash Player 10/Flash CS4 Professionalから3次元空間の扱いができるようになりました。本書は、ActionScript 3.0の基礎を学んだ方に、その基本となる考え方を解説します。おもなクラスとしては、Vector3DやMatrix3Dが挙げられます。この"Vector"とか"Matrix"というのは、数学の「ベクトル」と「行列」を意味します。 数学というと、苦手意識をもつ人が少なくありません。よく聞くのは、「公式が覚えきれない」という嘆きです。けれど筆者は、少なくとも地理や歴史、あるいは英語と比べれば、暗記すべきことははるかに少ないと思います。さらにいえば、暗記で済ませようとすることに無理があります。そういう人たちは問題の解き方がわからないと、すぐに「この問題にはどの公式を当てはめるのですか」と質問します。 確かに、その問題を解くだけなら、公式さえ覚えれば手っとり早いかもしれません。ただそれでは、出題が少し変わっただけで、また新たな公式が必要になります。つまり、応用力が身につかないのです。数学の公式集に掲げられている式のうち、おそらく3割の求め方を「理解」すれば、残り7割はそこから導けます。少し時間はかかっても、基本となる考え方を学ぶことにより、さまざまな問題を解く力が高まるのです。 これは、スクリプトを学ぶ場合にもいえます。スクリプトの書き方がわからないとき、すぐに「サンプルはありませんか」と尋ねて、コピー&ペーストで済ませようとする人がいます。でも、つくりたいものがそのままサンプルとして見つかることは、決して多くありません。それに、考え方を理解しなければ、応用どころか修正もおぼつかないでしょう。 本書には、あまり見栄えのするサンプルはありません。その代わり、ステートメントひとつひとつに、それが何をするのかという説明を加えています。また、同じようなサンプルを違うスクリプトでつくったりもします。そして、高校レベルの数学について解説を別に設けました。いずれも、基本となる考え方を理解していただくためです。 本書はその意味では、サンプル解説書ではなく、リファレンスでもありません。3次元空間のスクリプティングを主題とした、いわばスクリプト構成法の手引きです。 |