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ActionScript 3.0プロフェッショナルガイド
野中 文雄 著

ActionScript 3.0 Professional Guide

価格: 4,179円(税込)
発売: 2008年10月18日
出版: 株式会社毎日コミュニケーションズ
ISBN: 978-4-8399-2652-6

blogでの書評 New!

*下記のもくじに、80ページ以上に及ぶ「PDFプレビュー」のリンクあり!

【本書の読み方】(はじめにお読みください − Read Me!)
本書は、ActionScriptの初級者を読者対象のスタートラインとして執筆しました。「初級者」というのは、簡単なActionScriptを書いたことがある人、あるいはスクリプトというものが何なのかは一応理解している人を指します。したがって、「ActionScriptとは」とか「スクリプトとは」という説明はいたしません。また、Flash CS3 Professionalのタイムラインおよびシンボルの扱いについては、基礎知識があることを前提とします。

「初級者」として想定しているのは、おもにつぎの3つのいずれかに当てはまる方々です。

  1. ActionScript 3.0について、ヘルプや入門書で勉強を始めた。
  2. ActionScript 1.0か2.0で、スクリプトは書いたことがある。けれど、ActionScrpt 3.0はまだ知らない。
  3. JavaやC++/C#などオフジェクト指向プログラミング言語の経験はある。しかし、ActionScriptについてはまだ初心者だ。

また、読者がFlashやスクリプトをどのように学ぼうとしているかによって、書籍に期待する内容は異なってくるでしょう。本書は対象とする読者を、つぎのようにターゲティングしています。

本書が期待に添えない読者 本書が対象とする読者
他人のスクリプトをコピー&ペーストして済むならその方が楽だ。 自分の意図した動作を自分のスクリプトとして書きたい。
スクリプトは結果として動けばそれでいい。 スクリプトがどのように動作しているのか、どうすればより効率的な処理になるのかを知りたい。
サンプルがたくさんほしい。 ひとつひとつのスクリプトの処理を完全に理解したい。

スタートラインは初級者とはいえ、ゴールはクラス定義の応用や行列による3次元座標変換にまで及びますので、中級者にもお読みいただける内容になっています。また、以下のような囲み記事やコラムをふんだんに加えることで、読者の知識により情報を取捨選択できるようにしました。

  • Tips   本文の補足や知っておくと便利な知識などをご紹介しています。踏込んだ解説の部分は、初心者は受け流して構いません。
  • Word   用語説明です。用語集として書籍の索引にまとめるため、若干抽象的な解説も加えています。初心者は、その部分は流し読みして結構です。
  • AS1&2 Note   ActionScript 1.0や2.0との違いを説明しています。1.0/2.0について一定の知識をもった人には、理解を深める助けになるでしょう。
  • Maniac!   中級者に対する踏込んだ情報や、Flash以外の数学など他分野について知りたい人向けの解説です。読み飛ばしても、本文の理解には影響はありません。

「テクニック編」は、Tips的な内容のうち本編で扱えなかった少しまとまったテーマについて解説を加えました。また、「数学編」は、Maniac!なテーマの本編からのスピンオフといえます。数学の論理に興味がなければ、読まなくとも本編などの理解には差支えありません。

さらに、AYAさんによるキュートなイラストが、小難しく映りがちな解説を要所要所でユーモラスにまとめてくれました。

ActionScriptを学ぶ人は、金髪でサンダル履きの人から、紺のスーツにネクタイを締めた人まで、ますます多様化しています。それぞれの知識・経験・興味に合わせて、本書をご利用ください。

>>はしがき

補足および正誤表

 

本編】*「PDFプレビュー」は書籍の最終校正原稿をPDFとして出力したものです 。
Chapter 1 ActionScript 3.0を使ってみよう >> PDFプレビュー(全26ページ)
Chapter 2 スクリプトによるアニメーション >> PDFプレビュー(全58ページ)
Chapter 3 DateクラスとStringクラス
Chapter 4 MovieClipの座標の操作
Chapter 5 マウスでスクロールさせるMovieClip
Chapter 6 キーボードによる操作とArrayおよびObjectクラス
Chapter 7 三角関数を使って楕円軌道のアニメーションを作成する
Chapter 8 カスタムクラスを定義する
Chapter 9 MovieClipシンボルにクラスを定義する
Chapter 10 イベントの配信とオーバーライド/インターフェイス
【テクニック編】
T.1 ランダムな値を取出す
T.2 外部データをロードする
T.3 ECMAScript for XMLと正規表現
T.4 マウスイベントを扱う
T.5 変換行列と3次元の回転
T.6 クラスとオブジェクトの小ネタ集
【数学編】
M.1 数列の基礎
M.2 三平方(ピタゴラス)の定理
M.3 三角関数
M.4 直線の式
M.5 ベクトル
M.6 行列

 

はしがき

初めて英語を習うとき、まずは英会話から入るでしょう。先生が教室に入ってくるなり、"How are you?"と声をかけます。そして、たとえ徹夜明けの二日酔いであろうが、"I'm fine, thank you."と応えるのだと習うでしょう。このとき、"How"は疑問副詞で"are"が二人称単数現在の動詞、"you"は二人称の代名詞などという説明はされません。そんな細かい話をしていたら、いつまで経ってもハンバーガーのひとつも買えないからです。

英会話は、言葉のやり取りをパターンとして学習します。あいさつや買い物、レストランでの注文、空港における出入国など、多くのシーンで交わされるフレーズを覚えれば、日常会話がこなせるようになります。書店に並ぶ英会話集というのは、ActionScriptの書籍でいえば、サンプル集にあたるでしょう。しかし、本書はサンプル集にはしませんでした。

なぜなら、自分の言いたいことが、いつもそのパターンの中にあるとはかぎらないからです。すると、意味の通じる文を自分で組立てるために、文法を学ぶ必要が生じます。本書の目的のひとつは、ActionScript 3.0を正しく書くための文法について解説することです。

もっとも、文法書というのは、網羅的で体系的で、反面味気ない部分もあります。それだけでなく、自分の伝えたいことを表現するというのは、ただ文法的に正しい文を並べる作業ではありません。起承転結やレトリックなどを考え、文と文とを紡いで、文章全体の流れを構成しなければならないのです。

本書は、このいわば文章構成法を、ActionScript 3.0について解説しようとするものです。とはいえ、文章表現は、その作者の数だけあります。論理の組立てからなるスクリプトであっても、同じ内容の処理がいくとおりにも書けます。

ですから、本書が紹介するのは、あくまで筆者のスタイルによる、特定の仕様を想定したスクリプトです。けれど、ステートメント(命令文)の1行1行について、なぜそう書くのか、別の記述は考えられないのか、その構成を採ると何がいいのか、といった点をできるかぎり詳しく説明しました。

ときには、陥りやすい間違いをあえて犯し、その究明方法を解説している部分もあります。本書が重要視するのは、できあがったスクリプトより、むしろその書き方とそこに至るまでの考え方です。

本書では「数学編」を設け、高校レベル程度の数学的な解説も加えました。数学が苦手な人は、よく「公式が覚えきれない」といいます。しかし、数学の公式集に掲げられている式のうち、おそらく3割の求め方を覚えれば、残り7割はそこから導き出すことができます。

パターンを覚えることは、とくに初学者が早く言葉に慣れ親しむのには有効です。けれど、新たなアイデアを表現したり、インスピレーションを発展させようとするには、基本となる考え方を身につける必要があるのです。本書は、ActionScript 3.0によるスクリプティングの考え方を解説する、スクリプト構成法の手引きです。


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