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HTML5テクニカルノート

EaselJS次期バージョン候補の座標系クラスに初期化のメソッドが加わった

ID: FN1308002 Technique: HTML5 and JavaScript Library: EaselJS NEXT

Matrix2D.initialize()メソッド
文法 Matrix2Dオブジェクト.initialize(a, b, c, d, tx, ty)
概要

参照するMatrix2Dオブジェクトの成分値を、引数の値に定める。

引数

a, b, c, d, tx, ty − 変換行列の6成分に定める値。

戻り値 参照もとのMatrix2Dオブジェクト。
Matrix2D.reinitialize()メソッド
文法 Matrix2Dオブジェクト.reinitialize(a, b, c, d, tx, ty, alpha, shadow, compositeOperation)
概要

参照するMatrix2Dオブジェクトの成分値およぴプロパティの値を、引数の値に定める。

引数

a, b, c, d, tx, ty − 変換行列の6成分に定める値。

alphaDisplayObject.alphaプロパティに加える値。

shadowDisplayObject.shadowプロパティに定めるShadowオブジェクト。

compositeOperationDisplayObject.compositeOperationプロパティに定める文字列。

戻り値 参照もとのMatrix2Dオブジェクト。
Matrix2D.copy()メソッド
文法 Matrix2Dオブジェクト.copy(matrix)
概要

参照するMatrix2Dオブジェクトの成分値およぴプロパティの値を、引数のオブジェクトと同じ値に定める。

引数

matrix − 参照もとのオブジェクトにプロパティ値をコピーするMatrix2Dオブジェクト。つぎのプロパティ値が書替えられる。

  • a, b, c, d, tx, ty
  • alpha
  • shadow
  • compositeOperation
戻り値 参照もとのMatrix2Dオブジェクト。
Point.initialize()メソッド
文法 Pointオブジェクト.initialize(x, y)
概要

参照するPointオブジェクトのxy座標値を、引数の値に定める。

引数

x, y − Pointオブジェクトに定めるxy座標値。

戻り値 参照もとのPointオブジェクト。
Point.copy()メソッド
文法 Pointオブジェクト.copy(point)
概要

参照するPointオブジェクトのxy座標値を、引数のオブジェクトと同じ値に定める。

引数

point − 参照もとのオブジェクトにxyプロパティ値をコピーするPointオブジェクト。

戻り値 参照もとのPointオブジェクト。
Rectangle.initialize()メソッド
文法 Rectangleオブジェクト.initialize(x, y, width, height)
概要

参照するRectangleオブジェクトの矩形領域の値を、引数の値に定める。

引数

x, y − Rectangleオブジェクトに定めるxy座標値。

width, height − Rectangleオブジェクトに定める幅と高さの値。

戻り値 参照もとのRectangleオブジェクト。
Rectangle.copy()メソッド
文法 Rectangleオブジェクト.copy(point)
概要

参照するRectangleオブジェクトの矩形領域の値を、引数のオブジェクトと同じ値に定める。

引数

Rectangle − 参照もとのオブジェクトにつぎの矩形領域のプロパティ値をコピーするRectangleオブジェクト。

  • x, y
  • width, height
戻り値 参照もとのRectangleオブジェクト。

説明

EaselJSのgeomパッケージには座標系のクラスとしてMatrix2DとPointおよびRectangleが定められています(図001)。EaselJS次期バージョン候補(NEXT)のこれら座標系クラスに初期化のメソッドが加わりました。クラスのコンストラクタを呼出せば、初期化された新たなオブジェクトはつくれます。けれど、すでにあるオブジェクトを初期化して使い回した方が、ガベージコレクションなどの負荷が減らせ、最適化しやすくなります。

図001■EaselJSのgeomパッケージに属するクラス
図001

initialize()メソッドは、CreateJSでは基本的にコンストラクタが内部的に呼出しています。つまり、引数値でインスタンスを初期化するメソッドです。そのinitialize()メソッドが座標系のクラスで公開されました。したがって、引数の定めはコンストラクタと同じです。ただ、Matrix2Dオブジェクトでは、コンストラクタの引数にないプロパティが別に加えられます。そこで、それらのプロパティも含めて初期化するメソッドMatrix2D.reinitialize()が加えられました。

copy()メソッドは、引数のオブジェクトのプロパティ値を参照するオブジェクトに上書きします。内部的には、引数のオブジェクトのプロパティ値を渡して、initialize()メソッドを呼出しています。ただし、Matrix2Dクラスでは、前述の理由でMatrix2D.reinitialize()メソッドが呼出されます。

とくにfor文などの繰返し処理の中で新たなインスタンスをコンストラクタでつくっていた場合、それらの参照を残さなくてよいなら、これら初期化のメソッドを用いることで最適化できるでしょう。



作成者: 野中文雄
作成日: 2013年8月11日


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