2015年5月21日付で、EaselJS 0.8.1が公開されました。改訂された項目について、VERSIONS.txtにもとづきご紹介します。

01 重要な変更(従来のコンテンツとの互換性に問題が起こりうる)

• Graphics.commandプロパティは、塗りや線を描く空の呼出しがあったときはnullを返す。
• EventDispatcher.dispatchEvent()メソッドは、そのイベントにEvent.preventDefault()メソッドが呼出されていたらfalse、そうでなければtrueを返す。
  • DOM Level 2 Event Modelとの互換性をもたせる(MDN「EventTarget.dispatchEvent()メソッド」参照)。
  • EaselJS 0.8.0のEventDispatcher.dispatchEvent()メソッドは、送られるイベントオブジェクトのEvent.defaultPreventedプロパティの値を返した(「EaselJS 0.8.1: イベントリスナーを扱うEventDispatcherクラス」注[*1]参照)。
• カーソルは表示オブジェクトの中で正しく継承される。
  • 子インスタンスのカーソルは親インスタンスの定めに優先する。

02 その他の変更

• Graphics.StrokeDashクラスとGraphics.setStrokeDash()メソッドを追加。
  • 点線が描ける(「EaselJS 0.8.1: 破線を描く ー Graphics.setStrokeDash()メソッド」参照)。
• Stage.drawstartとStage.tickstartイベントでEvent.preventDefault()メソッドが動かない問題を解決。
• EventDispatcher.dispatchEvent()メソッドメソッドに第2および第3引数を追加。
  • dispatchEvent(eventObj, [bubbles], [cancelable]) Boolean
• 非推奨のSprite.initialize()メソッドを残した。
  • Flash Professional CCからのスプライトシート書出しに対応するため。
  • 将来のバージョンで除かれる。
• 点線がGraphics.clear()メソッドで正しくリセットされない問題を解決。
• 読込まれていないイメージのビットマップで塗ろうとしたとき、実行時エラーが出ないよう修正。
• Sprite()コンストラクタの第2引数に、フレーム番号として0が渡されたとき再生されない問題を解決。
• MouseEvent.relatedTargetプロパティを追加。
• ビットマップの読込みエラーの扱いを改善。
• Rectangle.pad()メソッドの問題を修正。
• ボタンをリセットしたとき再生されてしまう問題を解決。
• MovieClip.durationとMovieClip.totalFramesプロパティを追加。
  • 内部的には、ともにMovieClip.getDuration()メソッドを呼出す。
  • 「EaselJS 0.8.1: MovieClipオブジェクトの再生の長さ・フレーム数を調べる」参照。

作成者: 野中文雄
更新日: 2015年6月5日 Graphics.setStrokeDash()メソッドの参照記事を変更。
作成日: 2015年6月2日