HTML5テクニカルノート
Vue CLI 3入門 03: プロトタイプを簡単につくる
- ID: FN1807003
- Technique: HTML5 / ECMAScript 2015
- Tool: Vue CLI 3.0.0-rc.9
Vue CLIを使えば、Vue.jsによるアプリケーションのプロトタイプが簡単につくれます。本稿は「Instant Prototyping」をもとに、Vue CLIを用いたプロトタイプのつくり方についてご説明します。
01 vue serveをインストールする
vue serve
とvue build
コマンドを使うと、*.vue
ファイルひとつの簡単なプロトタイプがつくれます。ただし、予めグローバルなアドオン@vue/cli-service-global
をインストールしておかなければなりません。
npm install -g @vue/cli-service-global
macOSで管理者権限が求められたときには、sudo
コマンドを加えてください。
sudo npm install -g @vue/cli-service-global
vue serve
は残念ながら、グローバルにインストールされた依存関係にもとづきます。そのため、マシンが異なると矛盾が生じるかもしれません。したがって、プロトタイプを簡易につくるときのみお使いください。
02 プロトタイプをつくる
vue serve
は、設定なしに.js
または.vue
ファイルを開発モードでつくります。つぎのように-h
オプションで、ヘルプメッセージが見られます。
vue serve -h Usage: serve [options] [entry] serve a .js or .vue file in development mode with zero config Options: -o, --open Open browser -c, --copy Copy local url to clipboard -h, --help output usage information
ひとつやらなければならないのは、App.vue
ファイルをつくることです。テンプレートだけつぎのように書き込んでおきます。
App.vue<template> <h1>Hello!</h1> </template>
つぎのようにserve
コマンドを打ち込めば、.vue
ファイルがローカルサーバーhttp://localhost:8080/
で開けます(図001)。
vue serve
図001■ローカルサーバーで開いたVueアプリケーション
つくったのは.vue
ファイルだけで、設定ファイルはありません。vue serve
はデフォルトの設定(WebpackとBabel、PostCSSおよびESLint)でVueアプリケーションを動かすのです。この設定はvue create
のデフォルトでもあります。また、現行ディレクトリのつぎのファイルがエントリとみなされます。
main.js
index.js
App.vue
app.vue
違うファイルをエントリにしたいときは、ファイル名をコマンドに加えてください。
vue serve MyComponent.vue
index.html
やpackage.json
を加えても構いません。ローカルの依存関係をインストールして使うことができます。BabelやPostCSSおよびESLintもそれぞれの設定ファイルで調整が可能です。
03 ビルドする
.js
または.vue
ファイルを、設定なしに開発モードでビルドするのがvue build
です。つぎのように-h
オプションで、ヘルプメッセージが見られます。
vue build -h Usage: build [options] [entry] build a .js or .vue file in production mode with zero config Options: -t, --target <target> Build target (app | lib | wc | wc-async, default: app) -n, --name <name> name for lib or web-component mode (default: entry filename) -d, --dest <dir> output directory (default: dist) -h, --help output usage information
vue build
で、対象ファイルをデプロイ用のプロダクションビルドにできます。
vue build MyComponent.vue
vue build
でコンポーネントを、ライブラリやwebコンポーネントとしてビルとすることもできます。詳しくは「Build Targets」をご参照ください。
Vue CLI 3入門
- Vue CLI 3入門 01: Vue CLIとは
- Vue CLI 3入門 02: インストールする
- Vue CLI 3入門 03: プロトタイプを簡単につくる
- Vue CLI 3入門 04: プロジェクトをつくる
- Vue CLI 3入門 05: プラグインとプリセット
- Vue CLI 3入門 06: CLIサービス
作成者: 野中文雄
更新日: 2018年7月29日 本文の若干の修正。
作成日: 2018年7月17日
Copyright © 2001-2018 Fumio Nonaka. All rights reserved.