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Adobe Flash CS3 Professional ActionScript 3.0 □Math 05 ベクトルベクトルは運動や座標空間の扱いに用いられます。本章では、ベクトルの基本的な性質とその計算の規則についてご説明します。 ○05-01 ベクトルとスカラー
ベクトルは大きさと向きをもちます。しかし、始点は問いません。つまり、始点が異なっても、向きが等しく平行で、長さの等しいベクトルは、互いに等しいことになります。そこで、ベクトルは、始点を原点とした終点の座標値で表すことができます。このように原点を始点とするベクトルは「位置ベクトル」と呼ばれます。位置ベクトルの終点の各座標値は、ベクトルの「成分」といいます。 図Math05-001■等しいベクトルと位置ベクトル
○05-02 ベクトルの絶対値とスカラー倍および単位ベクトル 3次元のベクトルでも、同じように三平方の定理から絶対値が導けます(図Math05-002)。その式は2次元と同じく、各成分の2乗の和になります。 図Math05-002■3次元ベクトルの絶対値![]()
ベクトルにはスカラーを乗じることができます。その場合、ベクトルの向きは変えずに、長さをスカラー倍します。ただし、負のスカラーを乗じたときは、始点と終点の向きを逆にします。それは結局、ベクトルの各成分にスカラーを掛け合わせるのと同じ結果になります。たとえば、(x, y)で表されるベクトルPにスカラーaを乗じる計算は、つぎの式のとおりです。 aP = (ax, ay) とくに、大きさが1のベクトルを、「単位ベクトル」と呼びます。Pの単位ベクトルEを求めるには、ベクトルの長さつまり絶対値|P|で割ります(絶対値|P|の逆数1/|P|でスカラー倍するのと同じです)。ただし、ベクトルの絶対値は0ではない(|P|≠0)ものとします。なお、単位ベクトルを求める計算は、ベクトルの「正規化」(normalize)と呼ばれることがあります。 E = P/|P|
○05-03 ベクトルの和と差
ベクトルの成分を使って計算するときは、各成分同士の和あるいは差をとります。ベクトルAを(Ax, Ay)、ベクトルBを(Bx, By)とすると、和および差はつぎのように求められます。 A+B = (Ax+Bx, Ay+By) [*筆者用参考] 物理のかぎしっぽ「もう一度ベクトル2(ベクトルの読み書きそろばん)」。 ベクトルとスカラーの乗除算、およびベクトル同士の加減算については、普通の数値演算と似た以下の法則が成立ちます。任意のベクトルをAとB、同じく任意のスカラーをaならびにbとします。 (a+b)A = aA+bA x軸y軸に平行な単位ベクトル、(1, 0)と(0, 1)をそれぞれi、jで表すと、任意の成分(x, y)をもつベクトルPは以下の式で示されます。このiとjを「基本ベクトル」といいます。 P = (x, y) = x(1, 0)+y(0, 1) = xi+yj つまり、平面上の任意の位置ベクトルは、スカラー倍した基本ベクトルの和で表せます。 ○05-04 ベクトルの内積 A・B = |A||B|cosθ cosθは1以上-1未満の値をとります(数学編03-01「cos(コサイン)とsin(サイン)」参照)。cosθが0のときベクトルAとBは直交し、内積A・Bは0(= |A||B|×0)になります。つまり、内積が0になることは、ベクトルAとBとの直交条件なのです。 【ベクトルAとBの直交条件】 ベクトルAとBの各成分がそれぞれ(Ax, Ay)と(Bx, By)である場合、ふたつのベクトルの内積はつぎの式で計算できることが知られています。 A・B = AxBx+AyBy 内積を表すふたつの式から、ベクトルAとBとの成す角を求めることができます。 |A||B|cosθ = AxBx+AyBy
[*筆者用参考]「内積の意味」、「『内積の定義』の導入について」。 [Prev/Next] 作成者: 野中文雄 Copyright © 2001-2008 Fumio Nonaka. All rights reserved. |
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